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?Cほたてけたびき網漁業における操業効率化のための船型、装置
・「新造船の建造意欲・投資体力」という観点から評価すると、ヒアリング対象としたオホーツク海沿岸の2つの漁業協同組合では、ここ数年、定期的に複数隻を建造している実績もあり、投資体力についても十分である。
・「開発の効果・有用性」という観点からは、輸入ホタテガイはここ数年急増の傾向にあり、平成7年の輸入量は前年比ほぼ倍増の758トンとなっており、その9割以上が中国産である。こうした輸入増加も一因となって魚価が低下している傾向を危倶して、操業コストの圧縮に腐心している現状からして、操業効率化は極めて重要な課題であり、本件の開発による効果は強く期待されている。
・「魚種別・漁業種類別の収益性」については、ほたてけた網の粗利益率は安定して高い水準を保っており、特に、10トン以上15トン未満のクラスにおいては、極めて高い水準にある。
?D高鮮度保持機能(保冷装置またば活魚槽)を有する船型
・「新造船の建造意欲・投資体力」及び「魚種別・漁業種類別の収益性」という観点では、魚種別・漁業種類別にばらつきがある。例えば、粗利益率が高水準で安定しているけがにかごなどは、期待できるが、そのほかについては多くを期待できない。
・「開発の効果・有用性」という観点からは、鮮度保持機能は単に漁船サイドだけの課題ではなく、陸上部を含めた流通過程全体の問題でもあることから、鮮度保持のシステム全体で取り組むべき課題も多い。また、高鮮度を保持した結果が魚価に反映されなければ意味はなく、その点からすると対象とする魚種も、いわゆる刺身魚や高級魚となってしまう。
以上の評価を取りまとめたものが、以下の表である。

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以上のこと及び道内中小造船業の設備能力、技術能力を考慮して、本調査研究における開発テーマは下記の2テーマに絞り込む。
・コンブ漁場における雑海藻駆除のための船舶、装置
・ほたてけたびき網漁業における操業効率化のための船型、装置

 

 

 

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